はしもと診療所
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医療情報トピックス


2009年花粉症情報成人のインフルエンザワクチンは2回必要?脂質異常症花粉症治療(特にステロイド剤の使用について)新型インフルエンザ危機2007年度のインフルエンザ対策の現状百日咳AED (自動体外式除細動器)関節リウマチの早期診断インフルエンザ治療薬

2009年02月04日2008年11月12日2008年07月24日2008年02月08日2008年01月12日2007年10月25日2007年08月28日2007年05月22日2007年04月15日2007年02月23日

ここ数日、温かい日も増えてきて、そろそろ冬も終わりかな?と思うことが多くなってきました。そろそろ春といえば、それはすなわち花粉症シーズンの到来を意味します。

今年のスギ、ヒノキの花粉飛散量はやや多めとされ、比較的飛散量の少なかった昨年の2、3倍になる
とされています。飛散開始時期はやや早めで、近畿では2月中旬頃と予想されていますが、天候次第でやや早くなる可能性もあります。

これら以外の注意点として、ここ数年、スギ花粉に比べてヒノキ花粉が多く飛ぶ傾向があることは念頭に置いておく必要があります。スギ花粉シーズンの2月3月には症状が軽くても、3月下旬からのヒノキ花粉シーズンに、急に症状が悪化する可能性があるからです。

これらを踏まえて治療を行う訳ですが、花粉症は他の病気と同様、予防と初期治療が大切です。

マスク、ゴーグルなどを着用して、花粉を吸い込まないようにする、体に着かないようにすることが最も重要です。しかしながら、花粉の侵入を完全に防ぐのは困難です。花粉が体内に侵入してしまった場合、症状を緩和するために薬物療法を行うことになります。

花粉症治療の中核になるのは抗ヒスタミン剤というアレルギー抑制剤です。抗ヒスタミン剤は非常に有効な薬剤ですが、症状が強くなってしまってから慌てて内服を開始しても、十分な効果を得るまでにはかなりの時間を要します。

そのようなことにならないよう、適切な時期に適切な量の抗ヒスタミン剤の服用を開始することが大切です。

治療開始時期は早ければ早いほど良いというわけではなく、花粉飛散開始1週間前からで十分とされています。今年であれば2月第2週から服用を開始していただくのが適当と思われます。

内服量は花粉飛散開始1週間前からの初期治療期間中は通常使用量の半分で十分です。花粉飛散予想日が近づき、自覚症状が現れ始めたら、または飛散開始の情報が発せられたら、通常使用量の内服に切り替えて服用していただくのが適切です。

昨年までに治療開始時期が遅くなって、辛い花粉症シーズンを過ごしたという記憶のある方は、今年はキチンとした初期治療を行ってみてください。すばらしい春になる可能性大です。

先日、HNKでインフルエンザに関する番組が放送され、出演された感染症専門の先生がインフルエンザワクチンは子供だけではなく、大人も2回接種すべきと説明されたとのことです。その番組を見たとのことで、複数の方から接種回数はどうすべきかの質問がありました。

一般的にインフルエンザワクチンは12才までは2回必要ですが、13才以上は1回接種でよいとされてきました。

年少者は1回に打てるワクチンの量が少ないので、2回打たなければならない、と思い込んでいる方が時々おられますが、そうではありません。

年少者はインフルエンザウイルスに曝された機会が少なく、また過去にワクチン接種を受けた回数が少ないため、インフルエンザに対する基礎免疫を獲得していることが少ないとされています。そのため1回のワクチン接種では感染防御に十分な免疫が得られず、2回の接種が必要とされているのです。

では成人でインフルエンザに罹ったことが無く、ワクチン接種も受けたことがない人はどうすればよいのでしょうか?

答えは、やはり2回接種すべきです。

ただし過去に何回インフルエンザに罹っていればワクチン接種は何回、また過去に何回ワクチン接種を受けていたらワクチン接種は何回、というような明確な線引きはありません。

大ざっぱですが、これまでに何度かインフルエンザに罹ったことがあったり、まずまずの頻度でワクチン接種を受けている人は1回接種でも十分と思われます。

前述の専門家の先生の話は確実さを追求した上での話であり、また、数年前の麻疹流行時に1度しか予防接種を受けていなかった人が感染した、という事実を受けてのものであると思われます。

他の疾患の治療状況、生活、仕事の環境などによっても感染の危険性は人によって異なりますので、接種の回数は医師に相談して決めるのが賢明でしょう。

脂質異常症とは聞き慣れない疾患名です。以前はコレステロール値が高い場合と、中性脂肪値が高い場合をひっくるめて高脂血症と呼んでいました。

しかし、これら以外に善玉コレステロール(HDLコレステロール)値が低い場合も動脈硬化の危険性が高くなることが重要視されるようになり、「高」という言葉でひとくくりにすることが困難となったため、脂質異常症という言葉が登場しました。

つまり脂質異常症とは中性脂肪が高い場合(トリグリセリド 150mg/dl以上)、悪玉コレステロールが高い場合(LDLコレステロール 140mg/dl以上)、善玉コレステロールが低い場合(HDLコレステロール 40mg/dl未満)の総称ということになります。

これらの中でLDLコレステロール値は他にどれだけ心臓病発症のリスクが存在するかによって管理(治療)目標値が細かく設定されています。

最も厳密な管理を要するのは、心筋梗塞、狭心症等の冠動脈疾患の既往(罹ったことがある、又は罹っている)がある方です。この場合、LDLコレステロール値は100mg/dl未満に管理することが望ましいとされています。

これ以外の場合は、リスクの程度によってLDLコレステロール管理目標値は120mg/dl未満、140mg/dl未満、160mg/dl未満の3段階に区分けされています。

リスクとしてあげられているものには①閉塞性動脈硬化症(下肢等の動脈が細くなり、長距離歩行が困難になる疾患)、②糖尿病(境界型も含む)の合併、③加齢(男性45才以上、女性55才以上)、④高血圧症、⑤喫煙、⑥血縁者に狭心症や心筋梗塞等の冠動脈疾患の人がいる(遺伝による危険性)、⑦低HDL-C血症(40mg/dl未満)があります。

上記①②は特に重要で、これらのうち一つでも存在すると高リスク群とされ、LDLコレステロール 120mg/dl未満が管理目標値となります。

それ以外の場合で③から⑦のリスク因子が0個の場合は低リスク群となりLDLコレステロール 160mg/dl未満、1個または2個の場合は中リスク群となりLDLコレステロール 140mg/dl未満、3個以上の場合は高リスク群と考えLDLコレステロール 120mg/dlがそれぞれの管理目標値となります。

治療はもちろん食事・運動療法が最優先です。

食事療法では高LDLコレステロール血症の場合には油もの、玉子、イカ、ウナギ、肉の脂身などコレステロール含有量の多い食品をひかえること、高中性脂肪血症の場合には甘いものなどの炭水化物やアルコールをとり過ぎないように注意することが大切です。

運動療法は週3日以上、汗ばむ程度のウォーキングを1日30分から60分くらい行うのが有効です。運動療法を行ったからといってすぐには体重が減らない場合もありますが、根気よく継続することが大切です。

これらの生活習慣の改善を3ヶ月程度行っても検査値が改善しない場合、初めて薬物療法を行うことになります。

高LDLコレステロール血症治療薬には体内でのコレステロールの合成を阻害する薬、消化管からのコレステロール吸収を抑制する薬等がありますが、状況に応じて使い分けます。

コレステロール合成阻害薬は非常に有効な薬剤ですが、総じて肝障害の副作用が起こる頻度が高く、また希に筋肉に負担がかかることもあるため、定期的な血液検査による監視の下で服用することが大切です。また高中性脂肪血症治療薬等との飲み合わせにも注意が必要な場合もあります。

脂質異常症には自覚症状はほとんどありません。しかしそれによって引き起こされる心臓、脳等の血管障害は生命に関わる重篤な疾患です。幸い今年度から公的に行われる特定健診でも脂質異常症が重要視されるようになり、健診の必須項目のみで脂質異常症の精査が可能になりました。年に一回くらいは健診を受けて健康状態を把握し、脂質異常症による重病を未然に防ぎましょう。   

毎日寒い日が続いていますが、そろそろ毎年恒例の花粉症シーズン到来です。

今年は例年よりもスギ花粉の飛び始める時期が早く、過敏な患者さんは既に目、鼻などに違和感を訴え来院されています。テレビ番組などで花粉症対策について取り上げられる機会が多くなり、日常生活で気をつけることはほとんどの患者さんが自覚、実践されるようになったので、今回は薬物療法に限って記したいと思います。

花粉症の薬物療法で最も基本となるのは、抗ヒスタミン剤と呼ばれるアレルギー治療薬です。

一昔前は抗ヒスタミン剤といえば眠くなる、というのが常識でした。しかし最近になって、アレルギー症状を抑える効果はそのままに、しかし脳への薬剤移行は少なく眠気が少ない薬剤が開発され、広く用いられるようになりました。抗ヒスタミン剤は投与開始から十分な効果を発揮するまでにある程度の時間を要します。花粉症シーズンの1週間前くらいからの服用が推奨されており、毎年花粉症で辛い目にあうが今年はまだ発症していない、という方にはそろそろ服用開始されることをお勧めします。

ところで、花粉症治療に関して診療中にたびたび聞かれる質問があります。「1回注射を打てばワンシーズン大丈夫な注射があるって聞いたんですけど。」、「花粉症の予防注射やってますか?」というような質問です。

確かに一部の医療機関でそのような注射治療を行っているということはよく耳にします。本当にそんな素晴らしい治療があるのかというと、実はあります。使用しているのはステロイド剤です。ステロイド剤には色々なタイプがありますが、それらの中に1回注射すると一定期間からだの中に留まって持続的かつ強力に効果を発揮するタイプのものがあります。主に整形外科領域で用いられる薬剤ですが、それを花粉症治療に転用しているのです。ただし、花粉症に対しては保険適応外なので自費診療ということになります。

この治療法は医療関係者であれば誰でも知っていることですが、ほとんどの医者は手を出しません。なぜでしょうか?

答えは明白で、相当の副作用が出る可能性があるからです。注射部位の脂肪、筋肉組織の萎縮、糖尿病発症・増悪、肥満、骨がもろくなる、消化管潰瘍など、様々な副作用が出る可能性があります。そして体内に留まるタイプのステロイド注射は一旦注射してしまうと持続的に作用するため、効果が十分得られたから、または副作用が出たからといって中止したくても中止はできません。

もし、花粉症が重症化して通常の抗ヒスタミン剤では症状を抑えられず、どうしてもステロイドが必要になった場合には内服タイプのステロイド剤がありますので、それらを必要最少量、短期間服用するといった使用にとどめるべきです。

ステロイド剤といえば注射、内服の他に、点鼻剤、点眼剤もあります。

最近の点鼻ステロイド剤は局所では強い抗炎症作用を示しますが、全身への作用は非常に少ないため、使用時の用法用量を間違わない限り安心して使用できます。

点眼にもステロイド剤があります。こちらは点鼻剤と異なり、慎重な使用が求められます。過量に使用、または長期連用すると眼圧が亢進したり、角膜に感染症を引き起こす可能性が高くなります。やむを得ず長期連用する場合には眼科医の経過観察の元で使用すべき薬剤です。

花粉症治療に限らず、いかなる疾患の治療においても作用と副作用を常に考えながら、最適な治療法を医者と相談して選択するようにしましょう。たぶん自分には心配されるような副作用は出ないだろうという安易な考えで、花粉症におけるステロイド注射のような過剰医療には手を出されませんように!

とうとう中国で鳥インフルエンザウイルスの人から人への感染がおこりました。

これまでは鳥から人へのインフルエンザウイルスの感染はあっても、それが更に人へ感染するということはありませんでした。人から人へ感染したという事実は非常に重大です。今のところ1件のみの報告があるだけで、それ以上の感染拡大は報告されていませんが、以前から言われ続けてきた新型インフルエンザの発生がかなり現実味を帯びてきたと言わざるを得ません。

今年は北京でオリンピックが開催されるため、諸外国からの中国へ人の出入りが激増します。もし、新型インフルエンザが発生してしまったら、瞬く間に世界中に新型インフルエンザが拡がってしまうということにもなりかねません。

更に中国は情報公開が進んでいるとは言いがたく、それが感染拡大に拍車をかけることが懸念されます。

実際に新型インフルエンザが発生してみないことには、有効な治療法があるかどうかははっきりしませんが、確実に有効な手段は感染しないということに尽きます。過去の事例が示すように、重大な感染症が発生した場合、外出を禁止するような対策を公の機関がいかに早く取れるかが明暗を分けます。

そのような措置がとられた場合、水、電気、水道などのいわゆるライフラインが停止または機能低下することが予想されており、地震などに対して行うのと同様、2週間程度の水や食料品、カセットコンロの燃料などの備蓄が推奨されています。

備えあれば憂いなし。面倒がらずに、もしもの場合に備えましょう。

10月も下旬にさしかかり、朝晩肌寒い季節になってきました。冬が迫ってくると、毎年恒例ですがインフルエンザが気になり始めます。新型インフルエンザの発生を危ぶむ声が時々聞かれますが、従来のインフルエンザ対策の現状はどのようになっているのでしょうか?

インフルエンザの予防といえば、うがい、手洗い、マスク等は当然のことですが、まずはワクチン接種が大切です。

一口にインフルエンザウイルスといってもいろいろなタイプがあり、シーズンに入る前にWHOや厚生労働省が各地の流行状況から今年の冬に日本で流行するであろうタイプを予想します。そして、その予想に従って各製薬メーカーが製造したワクチンが国内で流通します。ここ数年間はA型、B型共にウイルス株の変更はありませんでしたが、今年はA型の株が変更されました。

有効かどうかはふたを開けてみないと判りませんが、色々な分析に基づいての変更であり、信頼度は高いと思われます。

これらの予防対策を講じたにもかかわらず不幸にしてインフルエンザウイルスに感染、発症してしまった場合はどうすればよいのでしょうか?

従来、インフルエンザ治療といえばタミフル、というくらいタミフルがよく使われていましたが、異常行動の副作用が出る可能性が示されてからは使用頻度はやや減りました。

そのかわり、タミフルに代わって注目されるようになった薬剤があります。吸入治療薬のリレンザです。当初、副作用はほとんど無いといわれていましたが、後になってタミフルと同じように異常行動の副作用がでる可能性があることが判りました。

どちらの薬剤も良く似た薬効によりインフルエンザウイルスの増殖を抑制するのですが、投与経路の違いにより副作用の発現頻度に差が有ると考えられていました。インフルエンザウイルスは気道上皮細胞に感染、増殖する性質を持っています。経口服用するタミフルは腸管から吸収され、血流に乗って気道上皮に到達し効果を発揮します。途中に血液による運搬を必要とするため、血液中のタミフルが脳神経系に到達し作用した結果、異常行動が出た可能性が高いと考えられました。

一方の吸入治療薬リレンザは吸入することによりダイレクトに気道上皮に到達し効果を発揮します。血中への移行が少ないことから、脳神経系の副作用発現率は非常に低いものと考えられておりましたが、報告数だけをみると決してそうとも言い切れ無いことが判りました。

両製薬メーカーに副作用につき問い合わせをしてみると、どちらの薬剤が副作用発現率が低いとは現時点では言えず、「本当に副作用なのか、ウイルス感染そのものによる作用なのか決着は出ていない。」「副作用の発現はあるとしても非常にまれで数字では出せない。」等の曖昧な返事しか返ってこないのが現状です。

実際のところ、私はこれまでに非常にたくさんのタミフルを処方してきましたし、また同僚の医師仲間もそうしてきました。その中で嘔吐、下痢といった副作用の発現は経験したことがありますが、異常行動発現については経験したことがありませんし、そのようなことが起こったと周囲から耳に入ったこともありません。しかし、今まで大丈夫だったからこれからも大丈夫、という保障はありません。注意喚起しながら、また同意を得た上で必要最小限の使用を心がけていくしかないのが現状です。

最近、テレビや新聞で百日咳が時々取り上げられています。記憶に新しいところでは四国の大学生の間での集団感染が問題となりました。

百日咳といえばもっぱら子供の病気と考えがちですが、先述のように成人での発症も決して無いというわけではありません。

百日咳は百日咳菌に感染することによって発病します。潜伏期間は通常7日から10日で、ワクチン接種者、成人、年長児は軽症で経過することが多いとされていますが、年少児では重症化することがあります。

発病後1、2週間は鼻汁、鼻閉、微熱、軽度の咳など、いわゆる感冒症状が続き、その後、連続性の激しい咳き込みと、咳に引き続いておこる急速な吸気による特徴的な笛のような声を発するようになります。激しい咳は菌自体ではなく、百日咳菌の毒素が関与しているとされています。この状態が2、3週間続いた後、回復期に向かいます。

成人でははっきりした症状が出ず診断が困難なことがあり、悪いことに、発病直後の感冒症状しか出現していない時期に最も多くの菌を排出し、人への感染性が高くなります。特徴的な咳症状が強くなり、百日咳を疑い始める頃には排出する菌は減少します。つまり、ただの風邪かな?と考えている間に感染の拡大が起こってしまうというわけです。

そのため、ワクチン接種を受けておらず百日咳に対して免疫を持たない人達の集団内で一旦発生すると、知らないうちに感染が拡大してしまいます。

診断は発病第1週の感冒症状期であれば培養による検出率は高いのですが、それ以降になると菌量が減り、培養検査での検出率は極端に低くなります。他に、発病早期と発病してしばらく経ってからの時期に2回採血を行い、血液検査で抗体価の上昇を確認するという方法もあります。つまり、罹ってすぐには免疫が無く、しばらくすると免疫ができるということを血液検査で確認するものですが、事後確認ということになります。

治療として有効な抗生剤はありますが、菌量の多い感冒症状期に投与しないと有効性は非常に低くなります。一見咳の強くなる時期に抗生剤を投与すると効果があるのでは?と考えがちですが、先述のように同時期には菌量は少なくなっており、菌が作る毒素が残存し咳の出現に関与しているに過ぎず、抗生剤による改善はほとんど望めません。

なかなか厄介な感染症ですが、しっかりワクチン接種を受けること、自分が罹ってしまったと思ったら医療機関を受診して検査を受けると同時に、人との接触を避けるようにすることなどに注意すれば無用な感染の拡大は避けることが出来ます。本人、並びに保護者の病気に対する認識が非常に大切な感染症のひとつと言えるでしょう。

最近、駅などの公共施設でAED(自動体外式除細動器)が設置されているのを目にする機会が多くなりました。

心臓の調子が悪くなった緊急時に使用する医療機器と認識されている方は多いと思います。しかし、いざ自分が使うという立場に置かれた時、手にとって実際に使うことができるでしょうか?気を失って倒れている人を目の前にして、冷静に対処するのはなかなか難しいことです。

突然の心停止による突然死は時と場所を選ばず起こる可能性があります。

原因の多くは心室細動という不整脈によるものとされています。心室細動に陥ると、心臓は読んで字のごとく細かく痙攣した状態になり、脳を含めて全身へ血液を送り出すことができなくなります。その結果、意識が無くなり、放置すると死に至ります。

電気ショックを与えて、心臓を痙攣している状態から規則的な心拍に戻すこと(これを除細動と呼びます)が非常に有効な治療法ですが、これまでは病院などの医療機関でなければ、また、医療関係者でなければ行えない医療行為でした。

そんな中、医学知識のない人でも簡単に使えるように開発されたのがAEDです。

操作は音声ガイドに従って行えば特に難しいことはありません。意識を失って倒れている人を見つけた時、どのように対処すればよいのかを順を追って記します。

(1) 意識を失って倒れている人を見つける。

(2) あお向けにして、意識があるか、呼吸しているか、を確認する。口腔内に吐物があれば指で取り除いて気道(空気の通る道)を確保する。同時に人に集まってもらい119番に連絡、AEDの準備をしてもらう。

(3) 脈はあるが呼吸が止まっている場合は人工呼吸のみを行う。患者の顎を持ち上げるようにして顔をやや上方に向け、片手で空気が漏れないように鼻をつまむ。そして、反対の手で口を開け、マウストゥーマウスで大きく息を吹き込む。この場合、人工呼吸は1分間に10回のペースで行う。

脈がない場合は人工呼吸を2回行った後、胸の中央をしっかり圧迫するように心臓マッサージを行う。100回/分のペースで30回行い、その後2回人工呼吸、30回心臓マッサージというサイクルを患者が動き出すまで、またはAEDが用意できるまで繰り返す。

(4) AEDの電源を入れる。

(5) AED付属のパッドを2個、絵で記されている通りの位置(右上胸部と左側胸部)に貼る。

(6) パッドから伸びるコードをAED本体に接続する。

(7) 患者に触れないようにしてショックボタンを押す。通電するかどうかは機械が自動的に判断します。

(8) 効果が無ければ、または通電しなければ、直ちに心肺蘇生(2回人工呼吸、30回心臓マッサージ)を5サイクル繰り返した後、(7)を繰り返す。

ズラズラと書いたので難しいように思えますが、心肺蘇生の手順さえ把握していれば後はAEDの音声ガイダンスに従って進めるだけの簡単な作業です。もし、必要な場面に遭遇した時は臆することなくAEDを手に取りましょう。

どのような病気も早期診断、早期治療が大切なことは言うまでもありませんが、関節リウマチは数ある疾患の中でも特に早期診断、早期治療の大切さが強調されている疾患です。発症早期に関節の炎症と破壊が急速に進行することが多く、治療が遅れると障害を受けた関節の機能回復が困難となる可能性が高いのがその理由です。

リウマチ専門医の立場から見て、不十分な診断と治療を受けている関節リウマチの患者さんが多いことは医療先進国の日本としては嘆かわしいことです。なぜ診断が遅れるのか?その理由は2つあると思われます。

まず第一に、「この検査項目が陽性だったら関節リウマチと診断する。」、という決定的な検査項目が無いことが挙げられます。

従来より、関節リウマチを疑う患者さんには、リウマトイド因子(RF)という血液検査が行われてきました。関節リウマチの患者さんの血液検査において高率に検出されることから、診断基準の1項目としても用いられ、現在も大切な検査である事に違いはありません。

しかし、その名に反して、RF陰性の患者さんもおられれば、患者さんでなくてもRF陽性の方もおられ、決定力には欠けます。臨床症状がはっきりしない場合、「RF陰性なので関節痛があるけどリウマチかどうかはっきりしませんね。」という“診断”を受けている患者さんは意外と多いものです。

RFの曖昧さが原因であることははっきりしており、「この検査が陽性ならリウマチの可能性が高い。」「この検査が陰性ならリウマチの可能性が低い。」と言える検査項目の登場が待たれていました。

そんな中、今年の4月1日から新たに抗CCP抗体という検査が保険適応になりました。完全ではありませんが、抗CCP抗体陽性の場合、リウマチの可能性がかなり高く、また、発症早期より陽性になるため、関節リウマチの早期診断に非常に有用な検査として注目されています。

早期診断が遅れる第二の理由としては、リウマチ治療薬の特性が挙げられます。

関節リウマチは自己免疫疾患であることから、治療薬として免疫を調節する、もしくは抑制する薬が使用されます。当然副作用の出現頻度も高く、できれば怖い薬を使いたくない、というのは医師、患者の共通した認識です。そこに落とし穴があります。発症早期で診断もちょっとはっきりしない、キツイ薬は怖い、ということで正確な診断を行わず、消炎鎮痛剤だけでがんばってしまっているケースはかなりあります。

消炎鎮痛剤(非ステロイド性)は関節リウマチの治療においては、あくまでも“サブ”の薬であり、極端に言えば痛みを“ごまかす”薬です。関節リウマチの治療では「痛みの緩和」と「関節機能の温存」が大切なのですが、消炎鎮痛剤は前者の役割しか果たせず、気がつけば関節が変形してしまっていた、ということにもなりかねません。

先述の抗CCP抗体の登場、そして最近ではMRIを活用した関節、骨の評価など診断技術は確実に進歩しています。心当たりのある方はより早期に適切な診断を受け、十分な治療を受けましょう。

今年は暖冬でインフルエンザは流行しないのではないかと考えられていましたが、暖かくなり始めた今頃になって流行が始まりました。今シーズンのワクチン接種時期には昨シーズンのようなトリインフルエンザ等の騒動も無く、予防に対する意識は高まりませんでした。そのためワクチン接種を受けた人が少なく、流行に拍車がかかっているようです。

最近インフルエンザの患者さんから質問がよく投げかけられます。最も多いのは治療薬タミフルの副作用に関する質問です。

インフルエンザ治療のためにタミフルを服用した若年者が興奮状態に陥り、マンションから転落した事故についてご存知の方は多いと思います。

現時点ではその興奮状態がタミフルの副作用によるものか、インフルエンザウイルス性脳炎等による精神症状なのかについての結論は出ていません。このような状況ではタミフル服用に警戒心を持たれるのも無理はありません。

もしタミフルに対する不信感が払拭できなければインフルエンザの治療は全く受けられないのかというと、決してそういうわけではありません。タミフルの服用以外に同効能のリレンザという吸入薬による治療法があります。

ヒトインフルエンザウイルスはヒトに感染する際、体のどの細胞においても感染増殖可能というわけではなく、気道上皮細胞に感染して増殖するという性質を持っています。タミフルは内服薬なので腸から吸収され一旦血流に乗って全身をめぐり、その後気道上皮細胞に到達し効力を発揮します。

それに対してリレンザは微細な粉末治療薬であり、吸入器を使って口から吸入することにより直接気道上皮細胞に到達し効力を発揮します。血液中への移行が少ない上に効果発現時間も早く、更に精神症状出現の報告もありません。

非常に有用な薬なのですが、使用方法が内服に比べて少し複雑ということが災いして使用頻度は少ない薬剤でした。しかし一連の事故の影響を受けて思わぬ形で脚光を浴びることとなりました。

ただし使用には年齢制限があり、5才以上の患者さんにしか使用が認められておりません。4才以下の患者さんには従来通りタミフル服用を行いることになり、保護者等による状態の観察が必要です。

一部にはタミフルやリレンザのような抗ウイルス薬を使用しなくてもインフルエンザは自然に治癒する病気であり、薬を使わない方が良い、というような意見もあります。しかしこれはあまりにも乱暴な意見だと思います。そのまま放置すれば患者さんは感染源となり、新しい患者さんを生み出すことになります。インフルエンザは合併症として肺炎や脳炎を引き起こし死に至ることもある感染症であり、また感染力も非常に強いため通常の風邪とは別物と考えなければなりません。

怖い感染症だからこそ早期に診察を受け、適切な治療を受けましょう。


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2009年花粉症情報
02/04 成人のインフルエンザワクチンは2回必要?
11/12 脂質異常症
07/24 花粉症治療(特にステロイド剤の使用について)
02/08 新型インフルエンザ危機
01/12 2007年度のインフルエンザ対策の現状
10/25 百日咳
08/28 AED (自動体外式除細動器)
05/22 関節リウマチの早期診断
04/15 インフルエンザ治療薬
02/23 2007年の花粉症
01/20 乳がん検診
12/15 在宅支援診療所
10/29 腫瘍マーカー
09/22 インフルエンザの現状
08/24 BSE問題
08/12 爪水虫(爪白癬)
07/09 食中毒
07/04 ジェネリック医薬品
06/10 骨粗鬆症
05/03 最新画像検査PETの現状
03/14 抜け毛の気になる方に朗報です
02/18 インフルエンザ流行中
01/06 2006年度のスギ・ヒノキ花粉情報
12/22 インフルエンザ情報
12/07 インフルエンザ問題
11/25 エイズの現状
11/16 輸入感染症
11/02 肥満の男性は大腸がんに注意を
10/15 今年はサンマが豊漁です
10/01
 
 
 
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